保健師の7割近くが保健センターや保健所で勤務しています。センターでは、地域住民の健康促進講座や健康相談などを行い、地域に密着した健康支援を行います。
それに対して保健所では、感染症対策などの、病気を予防する仕組みづくりや難病患者の支援事業なども仕事となります。センターでの仕事は、悩みを抱える住民と向き合って、問題解決の糸口を探るといったものがメインです。
従って、人と話したり、手助けをするのが好きという人に向いているといえるでしょう。さらにこの業務においては、会話を通して相手が抱える問題を正確に掴み、関連する背景について掘り下げながら、進むべき方向を検討する能力が重要です。
その際には、相手に興味を持つ素質はもちろんのこと、医学的な切り口で状況を評価したり、地域の各施設が行う業務内容や、支援制度を把握しておいたりすることが役に立ちます。
保健所での業務においては、センターよりも制度の運用やシステムの構築にかかわる要素が大きくなってきます。保健師の業務には、精神保健福祉士や医師、看護師などのスタッフのほか、行政職員との協働が求められます。
さらに、扱う業務内容には、難病や新興感染症といった高度な知識を要求するものも多く含まれているようです。そのため、病気や医療問題に関する知識を持ち、常にそれを刷新しようとする姿勢があると、スタッフ間でのコミュニケーションや、システムの運用などといった業務をスムーズに行うことができるでしょう。